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志野織部向こう付け「天狗団扇」
高さ4.7cm 幅15.0cm
志野織部の向こうつけで、天狗の団扇(てんぐのうちわ)文が描かれている。
ロクロ成形をしたあと、両側を手でせばめる。
そこで瓢箪形にしたユニークな器形の向こう付けとなった。
絵は太い線描で天狗団扇を、見込みいっぱいに広がりを見せて、大きく描かれている。
清新なデザインである。
元屋敷窯。
天狗とは、架空の存在であるが、深山に棲息して、人間と同じ姿で、顔は赤く、鼻は高く、翼を持ち神通力に富み、飛行自在であり、その手には羽団扇を持つと伝えられてきた。