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絵織部大平鉢(黍の絵)
径36.5cm
鉢をキャンバスに見立てたように、中央に天地を貫く一本の黍(きび)の立ち上がり、そして右端には蔓草を描く。
黍の葉の伸び伸びとした筆勢が、太平鉢からくみ出るほど雄渾である。
これを取り巻く外緑は、銅緑釉を点々と落として添景を成している。
素地の上で鉄絵をかき、長石釉を流す。
簡勁で、気品がある。