- 96 - 黒織部沓茶碗「釘抜き文」


 宗箇流家元に伝わる伝世品で、上田家の家紋である釘抜き文が、白抜きされて鮮やかである。
古田織部が門下生として親しかった上田宗箇(1563〜1650)に、別揚の花生け 「生爪」 と相前後して贈ったものと考えられる。
やや三角形に似た沓形の、胴に釘抜き文を掻き落としで描く、気品のある沓茶碗である。